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2015/3/6(金) 憧れるエネルギー
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| 江國香織さんのエッセイが好きで、何度も何度も読んでしまう。 これは、この1〜2年の間に買ったものなんだけど。
「とるにたらないものもの」「泣く大人」「泣かない子供」がエッセイで、「つめたいよるに」は短編集。 長編の小説も何冊か持っているけど、江國さんは長編よりエッセイや短編集の方が私は好き。 また別のエッセイや短編集も買ってみたいな。 そうしないと私は、同じものを何度も何度も読んでしまうから。 これだから、図書館で借りるのは苦手よね。笑 借りた本には愛着が湧かないもん。 江國さんのエッセイを読んでいて、ホッと心があたたまるのは、ああ私もこんなんでいいのかな、って思えるからかな。 型にとらわれない自由さとか、暮らしの中のいろんなことを楽しんで生きる力とか。 そんなところにハッとさせられ、肩の力が抜けるような気持ちにもなる。 文章のセンスも良く、女性らしい考え方をしているから、同じって思えること、共感できる部分がたくさんなのです。 ああなんか江國さんのエッセイについては、前にも書いた気がする。笑 まあいいか。 好きなものについては何度でも語りたくなる私だから。 今日読み返していて、とても共感でき、ホッとさせられた一文。 「でも、女なら、憧れるエネルギーを惜しむようにだけはなりたくない、と、また思いもするわけなのだった。」 これは、ほしいもののことを書いたエッセイの中で、届かないものに憧れると本人が苦しい、という前文に続いて。 夢見がちだとか馬鹿だとか、大人はすぐにそんな風に言うでしょう? でも私は江國さんの子どものような感性が好き。 私も死ぬまでずっと、女でいたいもん。 憧れるエネルギーを惜しまない女でいたい。 そう思うと、なぜか気持ちがホッとした。 冷めた大人にならなくってもいいかな、って。 次女と三女は、夜行バスで名古屋へ向かった。 私ももう少し若くて自由があれば、夜行バスで旅をしてみたいな。 パーキングに止まるたびに、降りてその街の匂いを感じたい。 ほんとうは昼間の方がいい。 お土産を見たり、美味しいもの食べたりしながら、いろんな街を旅してみたいな。 外国に行きたい気持ちは全然ない。 日本のあらゆる街に行きたい。 こういうのも、憧れなのかな? でもこれは、叶う望みがある憧れ。 叶わない憧れも持っていて、それはやっぱり時々胸を苦しくさせるけれど。
..2015/3/6 23:21
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2015/1/22(木) ロンドン版ショーシャンクの空に
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| キャナルシティ劇場で観てきました。
ショーシャンクの空に。 原作は読んでいないけど、映画版がとても好きで、何度も観ました。 ショーシャンク刑務所に、無実の罪で服役した男の話。 決して楽しいお話ではなく、辛くなるシーンも多いのに、それでも好きなのは、ラストの感動がすごいから。 法的に無罪が認められた、とかではないのです。 最後まで、悪は悪。 やりきれないです。 悲しいことは多い。 けど、男は希望を持ち続け、長い長い時を経て、自分の力で自由を手に入れた。 そこに感動するんです。 あと、大きいのは、唯一の友人レッドの存在。
舞台では、主役のアンディを佐々木蔵之介さん、レッドを國村隼さんが演じられていました。 私の席は、お友達のおかげと運の強さか?前から3列目の真ん中あたりという良席。 こんな近くで、初めての舞台を観れるなんて。 ギリギリに着いたので、ドキドキする間もなく始まりました。 まず、舞台のセットに注目。 刑務所の中のお話なので、鉄格子のセット。 それが、受刑者たちによってカンカンと打ち鳴らされて音楽を奏でる。 ちゃんと、音楽になっている。 そんなシーンが場面の転換時など途中にもあり、面白いなぁと思いました。 セットには台車がついていて、場面ごとに移動して組み変わっていく。 その素早さと自然な動きに感動。 初めてだと、いろんなことが珍しいのです。 そして、冒頭からレッド役の國村さんの語り。 なんて素敵な声をしているんだろう。 演者さんの生の声。 近くで観ているので息づかいまで聞こえる。 動くたびに、空気の動きまで感じられる。 そのことにも感動しました。 レッドによる語りは、アンディのことを過去形で語っていて、檻の中のことは現在ではなく、過去のことだという期待を持たせました。 私は結末を知っているから期待だったけど、何も知らない人には不安を持たせる語りだったかもしれません。 辛いシーンは多かったです。 それは、覚悟していたけど。 刑務所内での暴行、レイプ、汚い言葉。 やっぱりとても辛かったです。 アンディは、それに屈することなく、自分の信念を持ち、たたかっていきます。 他の受刑者たちとは何か違うスッとした感じを、佐々木蔵之介さんがとても良く演じられているなぁと思いました。 銀行家だったということ、そして、妻と不倫相手を殺してなんかいない、ほんとうに無実だということ、そんな雰囲気が醸し出されていました。 そして、何か不思議な感じ、企んでいるような感じも、時折考え事をする目線などから感じられました。 年老いたブルックシーが仮釈放の取り消しを願っても叶わず、刑務所外へ放り出されてしまったり、アンディの冤罪を証明できそうだった若いトミーが、所長らの手によって殺されてしまったこと、やっぱりとても悲しかった。 所長がほんとうに憎らしくてたまらなかった。 きっと演者さんが上手く演じられていたからでしょう。 辛いシーンばかりではなく、和むシーンもありました。 アンディの計らいで、暑い最中に屋上で作業する囚人仲間たちにビールが奢られるシーンや、所内で映画が上映されているシーン、囚人たちによるバンド演奏シーンなど。 おちゃらけた囚人たちがいて、明るく描かれていたところが、とても良かったです。 笑える場面もあったことに、ホッとさせられました。 アンディの提案によって、今までにはなかったいろんな変化が見られ、そんなことから、レッドや他の囚人たちも、アンディを信頼していきます。 そんなアンディは、密かにあることを実行していた。 長い年月をかけて、コツコツと、レッドに調達してもらったロックハンマーを使って。 そのことは、全く語られることはないけど、アンディが檻の中からいなくなったときに、所長が女優さんのポスターを剥がして初めて驚くことになります。 何かとても爽快だったなぁ。 映画でも爽快だったけど、舞台も良かった。 レッドが笑っていたけど、一緒に大声で笑いたい気持ちでした。 そして、レッドは仮釈放の日、アンディと約束した場所へ向かいます。 このときの國村さんの語りが、とても良かったなぁ。 ほんとうに素敵でした。 ちょっとキュンとなってしまいそうなくらいに。 最後にアンディとレッドが再会を果たしたところで、舞台は終了。 ただアンディの服装が、檻の中に居た時と変わりなく感じたので、全然別の服装がいいなぁと、ちょっと思ってしまったけれど。 終演後、拍手に応えて全部の演者さんが何度も出てきて下さるんですね。 最後は観客も立ち上がって拍手を送りました。 こういうのも初めての体験。 何か新鮮でした。 演技中は固い表情がほとんどだった蔵之介さんが、満面の笑顔。 素敵だったなぁ。 キャー!って思っちゃいました。 あとやっぱり國村さん。そしてトミー役の子も印象的でした。 でもみなさん素敵だった。 生の演技って、TVなどで観るのとはやっぱり全然違いますね。 声も、表情も、体の動きも。 生がやっぱりいいなぁと、良いもの観させてもらったなぁと、ホクホクしながら会場をあとにしました。 滅多にない贅沢をさせてもらいました。
..2015/1/23 5:21
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