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望三郎の地球宿づくり日記
信州安曇野で農的生活をしながらコミュニティ宿をやっている宿主望三郎の
宿づくりや夢の実現に向けて奮闘する様子を日記スタイルで紹介します。

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2005. 5. 30. Mon プルーンの木
2005. 5. 28. Sat お米づくりに挑戦F〜畦塗り〜
2005. 5. 26. Thu 我孫子のばあば
2005. 5. 22. Sun お米づくりに挑戦E〜ヤバイっ!漏れた〜
2005. 5. 21. Sat お米づくりに挑戦D〜いよいよ流入〜
2005. 5. 18. Wed 悦子の出産手記
2005. 5. 15. Sun 焼きたてのパンの匂い
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2005. 5. 6. Fri
      光、誕生
 朝方4時過ぎ頃に悦子から目を覚まされる。陣痛が5分間隔になってきていると言う。まださほど痛がっている様子はない。しばらく2人でコタツに入ってテレビを見て時間を過ごす。風はまだ寝ている。一通りの荷物は用意できている。 
 6時前に助産院に向かう。車で20分ぐらいの距離。スピードを上げていると、「急ぐ必要ない、体に響くからゆっくり行って・・・」と声がかかる。 
 
 そう、それは『やって来た』という感じだった。風の時は病院で陣痛促進剤を使ったので、それまでなんともなかった悦子が見る見るうちに痛がり始めた。まだ全然出てこようとしない赤ちゃんをこっちの都合で迎えに行って、「お産を始めた。」という感じだった。しかし今回は、いつかな、もうかな、まだかなと思う僕らの思いとは別に、何か大きな流れにあるものが静かに、ゆっくりと、そして確かに『やって来た』のだ。僕らもその流れの中で、やってきたものを受けとめていくという感覚なのだ。助産院の部屋で悦子と隣り合わせで横になり、腰をさすりながら、そんなことを思っていた。 
 5分おきにやって来るその痛みが抜けると、悦子は気が抜けてリラックスした表情になる。まさにお休みの時間といった具合。こんなものなのか?悦子が「(促進剤を使った)風の時は、痛い→かなり痛い→痛いの繰り返しだったけど、今回は陣痛が来ていない時は痛くないから休める。」と説明してくれた。そしてまた痛みがやってくると悦子は痛がり、僕は指先に気持ちを込める。握り締められた僕の手の甲に悦子の爪が立つ。痛い。これが悦子の痛みなのか。 
 こうして午前の時間が過ぎた。同じ頃に産院に到着したもう1人の妊婦さんは生まれたようだ。泣き声がする。ウテキアニ助産院の高橋さんも「1日に2人なんてめったにないわよ〜。」と笑って、あちらの部屋、こちらの部屋を出入りする。フォローに別の2人の助産婦さんも来てくれている。 
 
 「生まれてくるところを一緒に見ようね。」と言っていた風は長丁場に飽きてしまい、とっとと部屋を出て行き、高橋さんの4歳の息子さん愛澄(あずみ)君と遊んでいる。時々思い出したように部屋に帰ってきては、「もう生まれた〜。」とか、「生まれるよ〜、みんなおいで〜。」と呼びかけている。ほんとにコイツは・・・。 
 時間が過ぎていく。陣痛が弱い体質なのか、なかなか出てこない。悦子がどの体勢が産みやすいのか、横になったり、四つん這いになったりあれこれ試してみる。立ち上がってゆっくり屈伸をやって下ろしていく。高橋さんが指を入れてさぐりをいれる。この高橋さん自身も4人を産んで単身育てている。表情がある人だ。目をとじて悦子の子宮に手を当てている様は何かを祈っているかのようだ。その姿を美しいと感じた。 
 
 午後3時過ぎ、高橋さんが「さあ生まれるわよ。風ちゃんも呼ばなくっちゃ。」と明るく笑う。風が愛澄と一緒にやって来て、出てくるところを覗き込む。いよいよ生まれてくることが分かるのだろう、もう部屋を出て行かずにそこにいるようになった。 
 僕はプーさん座りで悦子を抱いている。悦子も仰向けで僕に寄りかかる。「ほら、これが頭だよ。」と高橋さんが風に説明していても、僕と悦子は分からない。「高橋さん、僕も見たい!」と言うと、もう1人の助産婦さんに声をかけてくれて鏡を用意してくれた。その助産婦さんが鏡をあててくれるので、僕も悦子もその様子をしっかりと見ることができた。 
 悦子が強くいきむ。頭が出てくる。すごい、あんなに大きく広がるのか。頭が出てくる。髪が生えている。まだ出てこない。いきむ。風の目も釘付けだ。風にも誕生の瞬間をしっかりと見せておきたかった。自分の弟がこうやって生まれてくること、自分もこうやって生まれてきたこと、どんな言葉よりも強く、3歳の彼女なりに受け止め残っていくだろう。 
 
 そして生まれた。16時48分。確かめてみるとやっぱり男。「光ちゃん、光ちゃん」と悦子が抱きかかえる。僕はその悦子を抱き支える。風がそばにいる。「4人になったねえ。」と風が嬉しそうに言う。 
 悦子はへその緒がまだ繋がっている光との最後の10数分を愛惜しんだ。へその緒を僕が切って、母子一体に別れをつげた。体重は3450g。大きな子だ。う〜ん、やっぱり俺似かな。 
 しばらくして胎盤を出す。この胎盤が光をずっと守ってくれていたんだ。これが光にとっての地球だったのだ。部屋の壁に飾られた高橋さんが描いたイラストは胎盤をモチーフにした樹がしっかりと地球に根付いているものだった。高橋さんが胎盤を食べてみますか?と言うので、しっかりトライしてみた。美味しかった。 
 4人家族になった初めての夜、みんなで一緒に寝ることに。 
  
 悦子も元気、赤ちゃんも元気。無事に生まれたことを感謝。 
 
 2005年5月6日16時48分 光(こう)誕生
  
 

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